まだ夜が明けきらない朝6時に、私は言葉の通じない現地合弁会社のJ氏と2人だけで景徳鎮の駅に居た。陶器の街景徳鎮から湖南省の長沙への直行便のフライトがなく汽車で向かうことになったのだ。
乗車券は持っているが指定券は入手出来ていない。
昨日の通訳曽氏の話では列車の中で買うとの事である。駅舎からプラットフォームに向かう時暗闇の中駅員から誰何され検札を受ける。
指定券持っていないのなら戻って駅構内で指定券を買へと言っている。
J氏はひっしに弁明しているが駅員は聞き入れず、ついに彼は諦めて私にここを動かないように言って再び駅舎へ向かった。
J氏も駅員もいなくなった暗がりで待つこと20分。やがて急ぎ足でJ氏が帰ってきたがまだ指定券は入手出来ていない。
プラットフォームに着くとすでに列車は入線している。乗り込んだ車両はどう見ても硬座であり、席はほぼ満員でむんむんする人いきれと甲高い中国語がまわりで飛び交っている。
殆どの乗客はもぐもぐ口を動かし弁当、スナック菓子などを胃袋に詰め込むのにいそしんでいる。
床は食べかすが山となりゴミ箱状態。今から指定券を買ってくるからここで待てといって彼は別の車両に消えた。
そのうち列車が出発し、乗客の好奇のまなざしの中、心配と忍耐を複合した気持で待つこと約40分、ニコニコ顔のJ氏が「指定券を入手した」と帰ってきた。
早速軟座の寝台列車へ移動する。4人1室のコンパートメントである。最初2人で、暫くして1人が乗り込んできた。ベッドに横になったり窓の景色を見たりして12時間の時間をどうにかつぶした。
4日後に今度は 長沙から景徳鎮に向かうことになった。今度は一人であったが、上海経由のフライトだったので楽に行けた。結論、中国は汽車ではなく飛行機が良い。
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