瞬間洪水

2001年 5月29日  ホーチミン ノーフォークホテル

その日もホテルで、人を待っていた。一緒に晩飯を食べるためである。」

夕方から雨で段々雨足は強くなっていった。ホテルの前の街路樹は横殴りの風雨で折れんばかりにしないでいる。まるで台風である。

今は雨期、毎日昼からスコールがあり夕方頃には小降りになったり、止んだりするのだが今日のスコールはスケールが大きい。

道を歩いている人々はずぶ濡れになっており、走っているバイクの数が著しく減った。

車が冠水した道路の水を巻き上げながら走っていく。そのうち道路は河となって流れ出した。
  
待ち人はいくら待っても来ない。タクシーはどうにか走っているのだから問題無いはずだが・・・・。 

いつしか雨は小降りになり道路も端だけが水が流れている状態となったが、ついに1時間待ってもこないし連絡もないのでロビーから自室に引き揚げた。

部屋でNHKワールドのニュースを見ていたら、しばらくしてロビーから今着いたとの連絡があった。ロビーに降りていったら、彼らは膝から下がずぶ濡れ靴はびしょびしょ。
  顛末はこうである。タクシーで私のホテルへ向かう途中、冠水した道路に突っ込み、車が浮いた。

車は止まり水が車の中に入って来たので、足をあげて座って水の引くのを待った。小降りになり水が引いたと見えたがタクシーは動かない。降りて歩こうと車を出たら廻りの水深は思ったより深く膝下まで濡れてしまったという事である。

そして食事に向かう途中も、深みにタクシーがつっこみ動けなくなりそこから歩いてレストランに向かった。
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